予防歯科 PREVENTIVE

予防歯科について

歯科は『歯にトラブルがあったら行く場所』と考えておられる方がほとんどです。それはもちろんその通りではありますが、最近ではそれだけではなく、ご自身の良好な口腔内管理のために来院される方が増えています。

健康なお口の中の維持を目標にとらえ、ご本人と専門家による継続的な管理を行っていく。これが『予防歯科』の大きな考え方になります。

予防歯科とカリオロジー

最近の歯科治療の概念に『カリオロジー』というものが浸透してきています。
『カリオロジー』とはカリエス(むし歯)とオロジー(学問)とを組み合わせた造語になりますが、むし歯を相対的に考え、むし歯を治すことだけではなく、むし歯ができる原因や環境を追及し、そのプロセスに変化を与えることにより、むし歯の発症から取り組みを考えていく概念です。このようにカリオロジーは様々な角度からむし歯をとらえる学問としてあらためて注目され、予防歯科では非常に重要な要素のひとつになります

日常生活を見つめなおす

むし歯や歯周病は生活習慣の中から生じる『生活習慣病』。
「悪くなってから治す習慣」から「無理なく良好な状態を維持する習慣」を生活の中に取り入れ、ご自身のクオリティー・オブ・ライフ(生活の質)の向上を推奨いたします。

定期的な予防が大切な理由

定期的に歯科医院でのメインテナンスを受けることのメリットは、早期にお口のトラブルを見つけだすことにあります。そしてさらに大切なことは、良好な口腔内を維持し保つことによる身体全体への影響は非常に大きく、日々健康な日常生活を過ごすことにおいても定期的な口腔内ケアは重要になります。

予防習慣

お口のトラブルはご自身でも症状に気付かないことが数多く存在します。違和感を覚え、しだいに痛みなどを生じるときにはすでに重症化しているケースがほとんどです。また口腔内が良好な状態に維持されている方は、全身的にも免疫機能が向上し、抵抗力の強い身体によって流行性の風邪や感染症からご自身を守るといわれています。
お口にトラブルを感じていない時から歯科医院での口腔ケアを行う。ぜひそのような予防的な習慣を生活の中に取り入れてみましょう。

歯科医院で行う予防

歯磨き指導

日々当たり前のように続けている歯磨き。しかしながら正しい位置に歯ブラシを当てている方は意外と少数派になります。磨き方にも個々の特徴があり、磨き残しは必ず生じてしまいます。そこで歯磨き指導においては、回数、方法、歯磨きアイテムの使い方等、色々なブラッシングについてのお話しを通して、これからのむし歯や歯周病のリスクを少しでも減らせるように行っていきます。

スケーリング(歯石取り)

歯と歯の間、歯と歯肉のすき間に沈着する歯石は、日々のブラッシングではほとんど取り除くことができません。そこでそのような歯石を専用の器具を使い取り除く処置、スケーリング(歯石取り)が必要になります。歯石の沈着は歯周病の主な原因になり、歯垢(プラーク)もさらに付着しやすい状態になります。またスケーリング処置に痛みはほとんどございません。
お口の中を健康に保つためには、定期的に歯石を取り除き、普段から歯石のあまりついていない口腔内環境での日常生活が理想的です。

フッ化物塗布

むし歯予防の一環として定期的なフッ化物塗布をおすすめします。フッ化物は歯質を強化し、口腔常在菌のバランスを整え、歯の再石灰化(歯の修復)を促す等、さまざまなメリットがあります。現在市販されている歯磨剤の90%以上のものにフッ化物が配合されていますが、歯科医院ではより高濃度のフッ化物を使用し、2~3ヶ月に一度の定期的なフッ化物塗布を行っています。

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)

歯科医師、歯科衛生士(専門家・プロフェッショナル)により専用の器具と歯磨剤を使い、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)やバイオフィルムを機械的(メカニカル)に破壊して除去するクリーニング処置、これがPMTCです。定期的なスケーリングにより歯石の取り除かれた歯に対し、メインテナンスとしてさらに新しく付着した歯垢(プラーク)を完全に除去することがPMTCの目的になります。施術後は歯がツルツルとして、汚れが付きにくくなり、お口の中もさっぱりとして、爽快な気分を得ることができます。

ご自宅で行う予防

むし歯や歯周病予防のためには、歯科医院での定期的な口腔内ケアとご自宅でのセルフケアの両方を行う必要があります。特にお口の健康を維持するうえで重要なのは、ご自身のお口にあった歯ブラシや歯磨剤を用いて、正しくブラッシングをすることです。それに合わせてデンタルフロスや歯間ブラシを補助的に用いるのも効果的です。

毎日の歯磨き

毎日正しくブラッシングを続けることは、これからの身体の健康を左右します。一人ひとりの口腔内の状況に対して適した歯ブラシ等も異なることがあります。お悩みのことがあれば、わかりやすくアドバイスいたします。

歯間ブラシ

歯間ブラシは歯と歯肉の間にある汚れを効果的に除去します。まずは通常のブラッシングを全体的に行い、その後歯間ブラシを補助的に使用します。やり過ぎは歯肉を傷つける恐れがあるため、丁寧にゆっくりと使うようにしましょう。

デンタルフロス

歯と歯の間には、コンタクトといわれる接触面があります。コンタクトの汚れは通常のブラッシングだけではなかなか取り除くことができません。ブラッシング後にデンタルフロスを用いることができれば、むし歯・歯周病予防にはさらに効果的です。

2~3ヶ月に1度、定期健診を受けましょう

歯科医院での定期的な健診を受けることにより、むし歯や歯周病を未然に防ぐことができます。また何かあれば早期に見つけ、少ない小さな処置で治すことが可能になります。 身体の健康のため、また日々のストレスを軽減するためにも、ぜひご家族の日常生活の中に定期的な口腔内ケアを取り入れてみましょう。

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