口腔外科について
「親知らずを抜くべきか迷っている」「顎の関節が痛い」「いつも舌がヒリヒリしている」「歯肉の口内炎がなかなか治らない」など、顎の骨や口腔粘膜の異常、埋伏した歯の抜歯など、外科的な処置を専門的に診察していく科目が口腔外科です。
親知らず、顎関節症、口腔粘膜の異常など、ご自身では少し分かりづらい口腔内の状況を診査し、それに特化した治療をご提案いたします。
親知らず
『親知らず』は奥歯の一番後ろに萌出してくる、前から数えて8番目の永久歯です。成人を迎える頃に生え始めることが多いことから、親知らずと呼ばれるようになりました。親知らずは適切に萌出すればそれほど問題はありませんが、顎の大きさやスペースの影響により横向きや斜めに萌出する傾向があります。むし歯や歯周病、歯列不正のリスクを高めるため、抜歯の選択が良いケースがあります。
抜歯の必要がない症例もあります
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抜歯を推奨
- 親知らずが斜めに生えている
- 隣の歯や全体の歯並び、口腔内環境に悪影響を及ぼす
- 親知らずがむし歯になってしまった
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抜歯の必要がない
- 親知らずが完全に顎の骨の中に埋まっている
- しっかり萌出して咬み合わせがあり、他の歯に影響がない
- 口腔内の管理がなされていてむし歯になっていない
嚢胞
嚢胞(のうほう)という疾患があります。身体の組織ができあがる発生の際に、何らかの原因により本来は消失する袋状の組織が残り、それが成長とともにしだいに大きく膨隆してくる疾患です。中には液状の内容物が入っていることがほとんどで、口腔外科においては、悪影響を及ぼす顎の骨にできる嚢胞や舌、唇などの粘膜に生じる嚢胞に対応します。特にむし歯などで細菌が歯根周囲まで感染した状態が長く続くと「歯根嚢胞」を生じるリスクが高まります。
歯原性と非歯原性の嚢胞
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歯原性の嚢胞
- 歯根囊胞
- 含歯性嚢胞 など
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非歯原性の嚢胞
- 鼻口蓋管嚢胞
- 単純性骨嚢胞
- 術後性上顎嚢胞 など
口内炎
口内炎はウイルス性、自己免疫疾患、入れ歯が当たった際の傷、アフタ性口内炎などさまざまな種類に分けられます。悪性腫瘍に結びつくケースもあることから、「いつもの口内炎と少し様子が違う」「何度も同じ箇所に口内炎ができる」、そのような時には早めに当院へご相談ください。市販されている口内炎治療剤がかえって悪影響を及ぼすケースもありますので、適切に症状を診査し分析します。
口腔がん
近年、患者数の増加傾向にあるのが口腔がんです。舌がん、歯肉がんなど口腔領域の悪性腫瘍全般を口腔がんと呼びます。口腔粘膜に発症する口腔がんの多くは扁平上皮がんで、粘膜の上皮が過度の刺激を受け続けると扁平上皮がんに移行すると言われています。合わない入れ歯やブリッジなどの補綴物により、口腔内が傷つくことで発症リスクが高まることがあります。飲酒や喫煙習慣のある方も少し注意が必要です。定期的な健診により口腔内のケアを行うことは、口腔がんの予防にとって非常に重要な要素になります。
顎関節症
食事の際に顎に違和感がある、大きく口を開けることができない、口を開ける際にポキッと音が鳴る、そのようなトラブルは顎関節症が考えられます。放っておくと咀嚼筋が硬直し、肩こりや頭痛、睡眠障害、集中力の低下など日常生活にも支障をきたします。
顎関節症は骨や筋肉、精神的なものなど原因はさまざまですが、少しでも顎周りに違和感がある方はぜひご相談ください。
顎関節症の原因
咬み合わせがズレている、過度に顎の筋肉が緊張している、遺伝的に顎関節に問題があるなど、顎関節症の原因にはさまざまなものがあります。近年増えてきているのは、仕事や家事に集中している際に生じる食いしばりや就寝時に生じる歯ぎしりなどが原因になるケースが増えています。顎関節の不具合や歯の寿命を短くすることもあることから、早めに対処しなければなりません。
歯ぎしり・食いしばり症例により、大学病院などへの
紹介を行っています
当院では、症状をカウンセリング、診査した後、紹介が必要と判断した場合には、大学病院や総合病院などへご紹介をさせていただきます。また、お身体に不調があり、どこの科を受診すれば良いのか等のお悩みの方でも、ご相談いただければ歯科に限らず、総合病院へのご紹介をいたします。
紹介状の発行や紹介先の病院とも密に連携をとり、個々の症状にしっかりと対応させていただきますので、疑問なことやご不明な点などございましたら、お気軽にご相談ください。