歯ぎしり・食いしばりについて
朝起きた時などに歯や顎が痛い、歯がしみる(知覚過敏)、口が開けづらいなど、不快に感じることはございませんか?時間が経ち生活が始まると気にならなくなることから、「歯科医院で治療をするまでもない」と自己判断してしまう方も少なくありません。
しかしながら不快症状には必ず原因があります。むし歯や歯周病ではない限り、考えられる要因としては無意識のうちに生じている歯ぎしりや食いしばりが考えられます。最初はわずかな違和感であっても、症状が続くと歯と顎に深刻な影響を及ぼすこともあるため、まずは歯科医院へ相談してみましょう。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりの原因の多くは「日常的なストレス」や「咬み合わせ習慣」からの影響です。家事や仕事などでストレスが続き、身体に疲れが生じてくると顎や肩の咀嚼筋が過緊張を起こし、深い眠りの中で歯ぎしりを生じます。また、比較的咬み合わせのしっかりされている方に習慣的に発生するのも特徴です。起床時に顎に疲れを感じるような方は特に注意が必要です。
歯ぎしり・食いしばりの種類
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グライディング
一般的に「歯ぎしり」といわれる症状です。キリキリと音を立てながら歯と歯を強く擦り合わせるもので、おもに就寝中に生じます。歯のすり減りや移動により咬み合わせに変化を起こしてしまうことや咀嚼筋の過度の疲労という問題点を抱えます。
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クレンチング
いわゆる「食いしばり」と呼ばれる症状です。日常生活の中で本人が無意識のうちに行っている習慣が多く、グライディングに比べると音を立てることも無いために他人からの指摘も受けづらく、自覚や発見が遅れるケースがみられます。
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タッピング
上下の歯を連続的に速い動作で咬み合わせる習慣です。カチカチといった音を出すのが特徴ですが、グライディングやクレンチングに比べると比較的少ない症状です。
歯ぎしりや食いしばりは、
口内環境に悪影響を及ぼします
歯ぎしり・食いしばりが長く続くと、歯にヒビが入る、歯が欠ける、すり減る、移動するなど、咬み合わせや歯並びに悪影響を及ぼします。歯槽骨にもダメージを与え、歯周病を発症する原因にもなります。また、歯ぎしりや食いしばりによって、一部の筋肉に筋緊張が引き起こされ、頭痛、肩こり、腰痛などが慢性化する恐れも指摘されています。
歯がしみる(知覚過敏)原因
むし歯や歯周病でも歯はしみることがありますが、歯がしみる原因の一つに歯ぎしりや食いしばりが考えられます。過度な咬み合わせの力により、歯への負担が大きく加わると歯の中にある歯髄が刺激に対して過敏に反応します。冷たいものに反応するような知覚過敏は、日常生活での歯ぎしりや食いしばりの影響を大きく受けている可能性があります。歯がしみることでお悩みの方は、ぜひご相談下さい。
歯ぎしり・食いしばりの治療方法
認知行動療法
ナイトガード(マウスピース)
ナイトガードは良い口腔環境を
維持するのに有効です
むし歯や歯周病の治療後には、ぜひナイトガードを製作し、習慣的に日常生活へ取り入れることをおすすめします。良好な口腔内バランスを継続的に維持し予防していただくことで、咬み合わせの不具合や歯周病リスクから歯を守ることに有効です。
ナイトガードは保険診療での作製が可能になりますので、ご自身の健康な歯や身体を維持するためにも、無理なく取り入れてみましょう。
スポーツマウスガード
最近ではどのスポーツ競技においてもスポーツマウスガードの使用が認知されてきています。装着することにより歯や顎を外的衝撃から守り、一部のコンタクト競技では以前から使用が義務化されています(ボクシング、アイスホッケー、アメリカンフットボール等)。自身の競技中の食いしばりや顎関節への負担、また対戦相手への接触によるケガのリスクも軽減します。
歯科医院でしっかりとしたマウスガードを製作し、装着することにより競技中の身体を守り、鍛え抜かれた力をこれまで以上に発揮することができます。競技によっては色等も指定されていますので、スポーツマウスガード装着をお考えの方はぜひご相談ください。